真子ちゃんは、アイス好きだから
あと、アナと雪の女王のアイスのやつもあるよ!
と言って。
サーティーワンアイスクリームを見ると思い出すことがあります。
私は、学生の時に、障害がある子供の支援施設でアルバイトをしていました。
そこでは、いろんなことに、興味があってあっちやこっちや走り回ったり、触りまくったり、すごく元気ではつらつとした子供や
ひっこみじあんで、お話したい時にうまく伝えられなくてふさぎ込んでしまう子もいました。
長期休暇には子供たちと外出イベントに行く機会があり、いく場所はその時それぞれ違って
博物館や、レストランに行ったり、遊具のたくさんある公園で遊んだり。
あるイベントの時そ、私が担当になった1人の子は、イベント前にお母さんと約束をしました。
「真子先生と一緒に行動すること。
手を繋いで行動すること。
守れたかどうかは、真子先生から聞くからね。
守れたらアイスを食べに行こう、サーティーワンに。」
お母さんは、そう言い残して、帰って行きました。
その日のイベントでは、その子はあたしの手を握って行動できました。
少し、嫌なことがあっても、1人でどこかに行ったりせず、私に伺いを立ててくれました。
一日お母さんとの約束を守れたその子様子をお母さんに報告し
アイスを食べに行ってくるーと、その子は、嬉しそうにお母さんと帰って行きました。
しばらく時は流れ、私が学校を卒業して、しばらくした時、サーティーワンがある場所で、その子とお母さんを見かけました。
お母さんの手をしっかり握って、嬉しそうにガラスケースのアイスを眺めているその子を見て、お母さんとの約束を守れたご褒美なのかもしれない、頑張ってるんだなって嬉しくなりました。
その子はもう、こんど中学生になる歳になる頃です。
お母さんと手を繋いだり、先生と手を繋いだりすることは、少なくなっていくかもしれません。
その子にとって、あの時あの場所で、お母さんと食べたアイスの味が、自分が約束を守れた自信となったり、愛情を感じた記憶に刻まれるのではないかと思います。
一人一人の懐かしい味や、好きな食べ物、もしかしたら、小さい頃の素敵な思い出が詰まっているのかもしれません。
二度とは来ない、幼少期の時間を、私も未熟ながら関われたこと、時間を共に過ごせたこと、思い返すと考えさせられるものが多くあります。
思い出すきっかけを作ってくれた利用者さんから素敵なプレゼントに感謝です。